エリザベート王妃国際コンクール2025ピアノ部門の第1次予選が終了し、セミファイナル進出者24名が発表されました。特筆すべきは、日本から出場した6名全員がセミファイナルに進出するという快挙を成し遂げたことです。
セミファイナル進出者24名
セミファイナルに選ばれた24名は以下の通りです(アルファベット順、年号は生年):
- Robert Bily(チェコ、1997年)
- Rachel Breen(アメリカ、1996年)
- Valère Burnon(ベルギー、1998年)
- Jacopo Giovannini(イタリア、1997年)
- Arthur Hinnewinkel(フランス、2000年)
- Wataru Hisasue 久末航(日本、1994年)
- Miguel Iglesias Lista(スペイン、2002年)
- Mirabelle Kajenjeri(フランス、1998年)
- Masaya Kamei 亀井聖矢(日本、2001年)
- Uladzislau Khandohi(ベラルーシ、2001年)
- Song Hyeon Kim(韓国、2002年)
- Shiori Kuwahara 桑原志織(日本、1995年)
- Denis Linnik(ベラルーシ、1995年)
- Nikola Meeuwsen(オランダ、2002年)
- Nathalia Milstein(フランス、1995年)
- Jiaxin Min(中国、1996年)
- Yumeka Nakagawa 中川優芽花(日本、2001年)
- Shion Ota 太田糸音(日本、2000年)
- Jinhyung Park(韓国、1996年)
- Davide Ranaldi(イタリア、2000年)
- Changyong Shin(韓国、1994年)
- Sergey Tanin(ロシア、1995年)
- Yuki Yoshimi 吉見友貴(日本、2000年)
- Yali Zaken(イスラエル、2004年)
日本人セミファイナリスト6名のプロフィール
太田糸音(おおた しおん)
- 2000年大阪府高石市生まれ、大阪府阪南市出身、現在ベルリン在住
- 東京音楽大学付属高等学校を2年次で早期修了し、2020年20歳で同大学ピアノ演奏家コース・エクセレンスを早期卒業
- 現在、ベルリン芸術大学大学院に在学中
- 第8回仙台国際音楽コンクールピアノ部門第3位、第7回コインブラ・ワールド・ピアノコンクール第2位など多数の受賞歴
亀井聖矢(かめい まさや)
- 2001年12月20日生まれ、愛知県出身
- 4歳からピアノを始め、愛知県立明和高等学校音楽科を経て、飛び入学特待生として桐朋学園大学に入学
- 2023年に同大学を首席で卒業、現在は桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コースとドイツのカールスルーエ音楽大学に在籍
- 2022年ロン=ティボー国際音楽コンクールで第1位および聴衆賞を受賞
- 2019年に第88回日本音楽コンクールピアノ部門第1位および聴衆賞受賞
- 「VIRTUOZO」という1stフルアルバムをリリース
桑原志織(くわはら しおり)
- 1995年東京都生まれ
- 東京藝術大学を2018年に首席で卒業、現在ベルリン芸術大学大学院に在籍
- 2021年第16回アルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノマスターコンクールにて44年ぶりの日本人上位入賞となる第2位
- 2019年第62回ブゾーニ国際ピアノコンクールでも日本人史上最高位の第2位
- 2014年第83回日本音楽コンクール第2位および岩谷賞(聴衆賞)受賞
中川優芽花(なかがわ ゆめか)
- 2001年ドイツのデュッセルドルフで生まれ育った日本人ピアニスト
- 2021年、19歳でクララ・ハスキル国際ピアノコンクールで優勝および聴衆賞受賞
- 2019年ロベルト・シューマン国際青少年ピアノコンクール優勝
- 2018年第5回イェネー・タカーチュ国際コンクール優勝
- 4歳でピアノを始め、10歳からドイツ現地校に通いながらピアノを学ぶ
久末航(ひさすえ わたる)
- 1994年8月19日生まれ、滋賀県大津市出身
- 5歳からピアノを始め、14歳で京都青山音楽記念館バロックザールにてリサイタルを開催
- 2009年度青山音楽賞新人賞受賞
- 第7回リヨン国際ピアノコンクール第1位および聴衆賞受賞
- 現在、ベルリン芸術大学に在学中
吉見友貴(よしみ ゆうき)
- 2000年5月7日東京都生まれ、幼少期を広島市で過ごす
- 5歳からピアノを始め、桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースを経て、現在ニューイングランド音楽院に留学中
- 高校2年在学中に第86回日本音楽コンクールで最年少優勝という快挙
- 2021年エリザベート王妃国際音楽コンクールセミファイナリスト
- 2022年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールクォーターファイナリスト
セミファイナルの概要と見どころ
セミファイナルは5月12日(月)から17日(土)まで6日間にわたって開催されます。各出場者は2つのステージ—①ソロリサイタルと②モーツァルトのコンチェルト—に挑戦します。
セミファイナルのスケジュール(日本人コンテスタント)
- 5月12日(月)夜:吉見友貴・太田糸音(コンチェルト)
- 5月13日(火)夜:桑原志織・中川優芽花(ソロ)
- 5月14日(水)夜:亀井聖矢・久末航(ソロ)
- 5月15日(木)午後:吉見友貴・太田糸音(ソロ)
- 5月16日(金)午後:桑原志織・中川優芽花(コンチェルト)
- 5月17日(土)午後:亀井聖矢・久末航(コンチェルト)
ソロリサイタルでは、現代作曲家の新曲(アナ・ソコロヴィッチ作曲「Two Studies for Piano」)と30分のリサイタルプログラムを演奏しますが、興味深いのは、各コンテスタントは2種類のプログラムを用意し、演奏の前日にどちらを演奏するか指定される点です。
コンチェルトでは、ヴァハン・マルディロシアン指揮、ワロニー王立室内管弦楽団との共演で、モーツァルトの協奏曲(KV271、450、453、456、595から選択)を演奏します。
コンクールの見通しと期待
今回のエリザベート王妃国際コンクールでは、日本人コンテスタント全員がセミファイナルに進出するという素晴らしい結果となりました。各コンテスタントの個性と実力が光る中、今後のファイナル進出にも大きな期待が寄せられています。
世界三大コンクールの一つとして知られるエリザベート王妃国際コンクールでの日本人ピアニストたちの活躍に、ぜひ注目してください。セミファイナルの模様は公式サイトなどでライブ配信される予定です。
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