2025年5月3日から9日にかけて開催された「第11回日本クラリネットコンクール」の結果が発表されました。東京芸術大学卒の河合莉奈さんが第1位該当者なしの中で第2位(実質最高位)に輝き、栗山かなえさんが第3位を獲得しました。
コンクール概要
一般社団法人日本クラリネット協会が主催する本コンクールは、クラリネット演奏の技術と音楽性を競う国内最高峰の大会です。今回は第一次予選(5月3日、4日、5日)、第二次予選(5月6日)、本選(5月9日)の3段階で実施されました。予選は国立音楽大学オーケストラスタジオ、本選はパルテノン多摩小ホールで行われました。
コンクールの審査員には、菊池秀夫(国立音楽大学講師)、近藤千花子(東京交響楽団)、サトー・ミチヨ(東京都交響楽団)、四戸世紀(一般社団法人日本クラリネット協会会長)、千葉直師(洗足学園音楽大学名誉教授)、西川智也(群馬交響楽団)、橋本眞介(名古屋音楽大学教授)、濱崎由紀(藝大フィルハーモニア)、マルコス・ペレス・ミランダ(新日本フィルハーモニー交響楽団)の各氏が名を連ねました。
課題曲
各予選と本選では以下の課題曲が課されました:
第一次予選(以下から1曲を選択)
- Bernhard Henrik Crusell:Concerto op.5 f-moll 1楽章
- Franz Krommer:Concerto op.36 1楽章
第二次予選(以下の3曲を演奏)
- 1曲目(以下から選択)
- Carl Heinrich Carsten Reinecke:Introduzione ed Allegro appassionato c-moll op.256
- Johannes Brahms:Sonata No.2 op.120 3楽章
- Max Reger:Sonata in As-Dur op.49-1 1楽章
- 2曲目(以下から選択)
- Jeanine Marie Clementine Rueff:Concertino op.15
- Eugène Joseph Bozza:Bucolique
- Henri Tomasi:Concerto 1楽章
- Raymond Gallois-Montbrun:Concertstück
- 3曲目
- 権代敦彦《vers ciel clair − towards clear sky》
(第11回日本クラリネットコンクール委嘱作品)
本選
- Wolfgang Amadeus Mozart:Clarinet Concerto in A Major, K. 622(全楽章・暗譜)
審査結果
本選結果
- 第1位:該当なし
- 第2位:河合莉奈
- 第3位:栗山かなえ
- 入選:
- 内山智毬
- 山下 颯
- 小林颯樹
入賞者プロフィール
河合莉奈(第2位)
北海道深川市出身。9歳よりクラリネットを始め、北海道旭川商業高等学校を卒業後、東京藝術大学に進学。第一回全日本学生国際ソロコンクール全部門を通じグランプリ受賞、第8回木管楽器コンクールクラリネット部門第1位など、数々のコンクールで優秀な成績を収めている。現在はパリ地方音楽院(CRR de Paris)でも研鑽を積んでいる。
栗山かなえ(第3位)
福岡県春日市出身。東京藝術大学音楽学部器楽科クラリネット専攻を卒業。SAKURA JAPAN MUSIC COMPETITION 2020クラリネット部門グランプリ、第24回日本演奏家コンクール木管楽器部門大学生の部第3位など、多くのコンクールで入賞経験を持つ。東日本大震災後から被災地での音楽支援活動も継続的に行っており、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。
賞金と特典
今回のコンクールでは、入賞者に以下の賞金が贈られます:
- 第1位:50万円(該当なし)
- 第2位:30万円
- 第3位:20万円
また、最高位受賞者(今回は河合莉奈さん)は、一般社団法人日本クラリネット協会の主催イベントに出演する機会が与えられます。
今後の展望
河合莉奈さんは今後、日本クラリネット協会主催のイベントへの出演が予定されており、さらなる活躍が期待されます。栗山かなえさんをはじめとする他の入賞者も、今回のコンクールでの経験を活かして、国内外での演奏活動を広げていくことでしょう。
日本クラリネット協会では公式サイト(https://jp-clarinet.org/)で、コンクールの詳細や今後のイベント情報を提供しています。クラシック音楽ファンの方々は、ぜひこれらの若手演奏家の今後の活躍にご注目ください。
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