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開催概要
開催日程
- ヴァイオリン部門: 2025年5月24日(土)~6月8日(日)
- ピアノ部門: 2025年6月14日(土)~6月29日(日)
会場
日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター)
宮城県仙台市青葉区旭ケ丘3-27-5
主催
仙台国際音楽コンクール組織委員会、仙台市、公益財団法人仙台市市民文化事業団
出場資格
1995年1月1日以降に出生した者(国籍不問)
公式サイト
https://simc.jp/9th_competition/
コンクールの特徴と魅力
仙台国際音楽コンクールは、日本を代表する国際音楽コンクールの一つとして3年ごとに開催されています。このコンクールの最大の魅力は、協奏曲中心のプログラム構成とオーケストラとの共演機会です。
特に注目すべき点として、ヴァイオリン部門ではセミファイナルにおいてコンサートマスターとしての演奏審査があり、オーケストラの一員としての資質も評価される点が挙げられます。これは世界的にも珍しい試みで、ソリストとしてだけでなく、オーケストラ奏者としての適性も見られる総合的な審査となっています。
また、予選から本選まで全ての演奏が公開されるため、観客は世界の若き才能の成長過程を間近で体験できるという特別な機会を得ることができます。
コンクール関係者によると「バイオリン部門予選の魅力は課題曲の『聞き比べ』。同じ作品でも奏でる音、作り出す空気が演奏者によりさまざまなので大いに楽しめます」と語られているように、聴衆にとっても様々な音楽表現の違いを体感できる貴重な機会となっています。
コンクールのレベルと位置づけ
仙台国際音楽コンクールは国内外で高く評価されており、ヴァイオリンコンクールのレベル評価では最高ランクに位置づけられています。これは、世界三大コンクールと呼ばれる「チャイコフスキー国際コンクール」、「エリザベート王妃国際コンクール」、「ショパン国際ピアノコンクール」に次ぐ高いレベルであることを示しています。
過去のコンクールからは多くの優れた音楽家が輩出されており、受賞後の活躍も目覚ましいことから、若手音楽家の登竜門としても認知されています。
コンクールのスケジュール
ヴァイオリン部門
段階 | 実施日 | 内容 | 出場人数 |
---|---|---|---|
出場登録 | 2025年5月22日(木) | ||
予選 | 2025年5月24日(土)~5月26日(月) | 独奏、オーケストラと共演(指揮者なし) | 概ね36名 |
セミファイナル | 2025年5月30日(金)~6月1日(日) | オーケストラと共演(協奏曲、指定箇所をコンサートマスターとして演奏) | 12名 |
ファイナル | 2025年6月5日(木)~6月7日(土) | オーケストラと共演(協奏曲 2曲) | 6名 |
入賞者記念ガラコンサート | 2025年6月8日(日) | オーケストラと共演 | 上位3名 |
ピアノ部門
段階 | 実施日 | 内容 | 出場人数 |
---|---|---|---|
出場登録 | 2025年6月12日(木) | ||
予選 | 2025年6月14日(土)~6月16日(月) | 独奏 | 概ね36名 |
セミファイナル | 2025年6月20日(金)~6月22日(日) | オーケストラと共演(協奏曲) | 12名 |
ファイナル | 2025年6月26日(木)~6月28日(土) | オーケストラと共演(協奏曲 2曲) | 6名 |
入賞者記念ガラコンサート | 2025年6月29日(日) | オーケストラと共演 | 上位3名 |
賞および賞金
順位 | 賞金・賞 |
---|---|
第1位 | 賞金 300万円、金メダル、ディプロマ ほか ・仙台フィルハーモニー管弦楽団又は日本の代表的なオーケストラとの共演 ・リサイタル出演 ・CD制作 |
第2位 | 賞金 200万円、銀メダル、ディプロマ |
第3位 | 賞金 100万円、銅メダル、ディプロマ |
第4位 | 賞金 80万円、ディプロマ |
第5位 | 賞金 70万円、ディプロマ |
第6位 | 賞金 60万円、ディプロマ |
審査委員
ヴァイオリン部門
- 審査委員長: 堀米 ゆず子(日本)
- 副委員長: 堀 正文(日本)
堀米ゆず子氏は、1980年エリーザベト王妃国際音楽コンクールで日本人初の優勝を飾った世界的バイオリニストです。第7回から導入したコンサートマスターとしての審査も、堀米氏のアイデアによるものと言われています。
ピアノ部門
- 審査委員長: 野平 一郎(日本)
野平一郎氏は作曲家・ピアニストとして国際的に活躍し、東京文化会館音楽監督、静岡音楽館AOI芸術監督なども務める音楽界の重鎮です。第35回サントリー音楽賞、第55回芸術選奨文部科学大臣賞など数々の賞を受賞しています。
課題曲の特徴
ヴァイオリン部門
ヴァイオリン部門の課題曲は、古典から現代まで幅広いレパートリーから構成されています。特に注目すべき点として:
- 予備審査: パガニーニのカプリースやバッハの無伴奏ソナタなど、技術と音楽性の両面が問われる難曲が含まれています。
- 予選: モーツァルトの作品とイザイの無伴奏ソナタという対照的な楽曲が課されます。
- セミファイナル: 協奏曲に加え、モーツァルトのカッサシオンやブラームスの交響曲の指定箇所をコンサートマスターとして演奏する独自の課題があります。
- ファイナル: モーツァルトの協奏曲とロマン派以降の大曲という組み合わせで、幅広い音楽性と表現力が試されます。
ピアノ部門
ピアノ部門の課題曲も同様に多彩で、以下のような特徴があります:
- 予備審査: 古典派のソナタ、高度な技巧が要求される練習曲、自由選択曲という3つの要素からなるプログラム。
- 予選: 30分以上35分以内という時間制限内での自由なリサイタルプログラム構成力が問われます。
- セミファイナル: モーツァルトの協奏曲から選択する課題。
- ファイナル: モーツァルトの協奏曲と、ベートーヴェン以降の大曲という組み合わせで、オーケストラとの共演能力が試されます。
チケット情報
ヴァイオリン部門(Pコード 289-110)
段階 | 日程/開演 | 座席 | 料金(税込) | 友の会料金(税込)※前売のみ |
---|---|---|---|---|
予選 | 5月24日(土)12:30 5月25日(日)12:30 5月26日(月)10:30 | 全席自由(日付指定) | 一般 1,000円 U-25 500円 | 一般 1,000円 U-25 500円 |
セミファイナル | 5月30日(金)18:00 5月31日(土)14:00 6月1日(日)14:00 | 全席指定 | S席 3,500円 A席 2,500円 | S席 3,200円 A席 2,300円 |
ファイナル | 6月5日(木)18:00 6月6日(金)18:00 6月7日(土)15:00 | 全席指定 | S席 4,000円 A席 3,000円 | S席 3,600円 A席 2,700円 |
入賞者記念ガラコンサート | 6月8日(日)14:00 | 全席指定 | S席 5,000円 A席 4,000円 | S席 4,500円 A席 3,500円 |
マスタークラス聴講券 | 6月2日(月)11:00 6月3日(火)13:00 | 全席自由(日付指定) | 一般 2,000円 学生 500円 | 一般 2,000円 学生 500円 |
ピアノ部門(Pコード 289-111)
段階 | 日程/開演 | 座席 | 料金(税込) | 友の会料金(税込)※前売のみ |
---|---|---|---|---|
予選 | 6月14日(土)10:00 6月15日(日)10:00 6月16日(月)10:00 | 全席自由(日付指定) | 一般 1,000円 U-25 500円 | 一般 1,000円 U-25 500円 |
セミファイナル | 6月20日(金)18:00 6月21日(土)14:00 6月22日(日)14:00 | 全席指定 | S席 3,500円 A席 2,500円 | S席 3,200円 A席 2,300円 |
ファイナル | 6月26日(木)18:00 6月27日(金)18:00 6月28日(土)15:00 | 全席指定 | S席 4,000円 A席 3,000円 | S席 3,600円 A席 2,700円 |
入賞者記念ガラコンサート | 6月29日(日)14:00 | 全席指定 | S席 5,000円 A席 4,000円 | S席 4,500円 A席 3,500円 |
マスタークラス聴講券 | 6月23日(月)13:00 6月24日(火)13:00 | 全席自由(日付指定) | 一般 2,000円 学生 500円 | 一般 2,000円 学生 500円 |
チケット発売日: 2025年2月14日(金)10:00〜
プレイガイド:
- チケットぴあ
- 日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター)1階事務室
- 仙台銀行ホール イズミティ21 1階事務室
出場者サポート
コンクールでは、出場者に以下のようなサポートが提供されます:
旅費補助:
- 日本国外居住者へは、仙台への往復旅費の一部を補助
- アジア地域:7万円
- アジア以外:15万円
滞在費補助:
- 出場登録日からコンクール出場終了日の翌々朝まで
- コンクール事務局指定のホテル宿泊料金(シングル1名の基本室料+朝食代)を主催者が負担
- 出場終了後、市民ボランティアによるホームステイ利用可
その他:
- 出場終了後、コンクール開催期間中にミニコンサート出演の機会あり
関連イベント
コンクール期間中は、様々な関連イベントも開催されます:
- 審査委員によるマスタークラス: 将来有望な音楽家を目指す若手への貴重な学習機会
- チャレンジャーズ・ライヴ: 出場者によるミニコンサート
- 市民が企画するコンサート: 地域と音楽を結びつける催し
過去の実績と評価
仙台国際音楽コンクールは、過去8回の開催を通じて多くの優れた音楽家を輩出してきました。第8回(2022年)のコンクールでは、ヴァイオリン部門で中野りな(日本)、ピアノ部門でルゥォ・ジャチン(中国)が優勝しました。
コンクール終了後も入賞者のサポートを息長く続けるのも仙台の特色で、コンクール事務局は受賞者の活動を常にフォローし、最高位受賞者に日本国内での演奏機会を提供しています。これにより、単なるコンクールの枠を超えて、若手演奏家のキャリア形成に大きく貢献しています。
お問い合わせ
仙台国際音楽コンクール事務局
〒981-0904 宮城県仙台市青葉区旭ケ丘3-27-5
Tel: 022-727-1872
Fax: 022-727-1873
Email: info@simc.jp
結び:音楽の未来を担う若き才能の祭典
第9回仙台国際音楽コンクールは、世界中から集まる若き才能の競演の場であると同時に、音楽文化の発展と国際交流の促進を目指す重要な文化イベントです。
協奏曲を中心としたプログラムと、オーケストラとの共演機会は、このコンクールの大きな特徴であり、単に技術だけでなく、音楽家としての総合的な能力が評価される場となっています。
5月24日から始まるこの音楽の祭典は、未来の音楽界を担う才能との出会いの場として、また、世界レベルの音楽体験ができる貴重な機会として、多くの音楽ファンの注目を集めるでしょう。
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