進藤実優(しんどう・みゆ)――ショパンコンクール2025決勝進出で注目を集める、日本の新星ピアニスト

ショパン国際ピアノコンクール2025で本選(ファイナル)進出を果たした進藤実優。

2002年生まれ、愛知県大府市出身の23歳(2025年10月時点)。2021年大会でセミファイナルに進み、2023年にはスペインのヴィーゴ国際ピアノコンクールで優勝するなど、着実な成長曲線を描いてきた。繊細な陰影と高い集中力、構築的なフレージングが武器。ここでは経歴・演奏の特徴・ディスコグラフィ・最新公演情報を紹介する。


略歴と学び

出身/学歴:2002年、愛知県大府市に生まれる。16歳でロシア・モスクワ音楽院付属中央音楽学校に留学し、ヴァレリー・ピアセツキーに師事。現在はドイツ・ハノーファー音楽演劇メディア大学でアリエ・ヴァルディに師事。

主な受賞・実績(抜粋):

第18回ショパン国際ピアノコンクール(2021):セミファイナリスト

第76回ジュネーブ国際音楽コンクール(2021):セミファイナリスト

ヴィーゴ市国際ピアノコンクール(2023):第1位&聴衆賞

ピティナ・ピアノコンペティション特級(2021):銀賞&聴衆賞

浜松国際ピアノアカデミーコンクール(2017):第1位&中村紘子賞

Kissinger Klavierolymp(2023):第3位&聴衆賞

奨学支援:ヤマハ音楽支援制度奨学生(2018–20)、ローム ミュージック ファンデーション奨学生(2021・2023)、江副記念リクルート財団第53回奨学生。

ショパンコンクール2025:ファイナルへ

決勝進出:大会公式サイトの「Final」欄に氏名が掲出。日本勢では桑原志織とともに本選へ。

協奏曲の選択:ショパン:ピアノ協奏曲第1番を演奏予定。

日程:本選は10月18~20日(ワルシャワ)。YouTubeのショパン研究所公式チャンネルで全ラウンドが配信される。

演奏スタイルの要点

マズルカ感性:最新の3次予選レビューでは、ショパン晩年のマズルカに通じる「陰影と歌心」の表出が高く評価されたとの報。

構築性と集中:長大形式(ソナタなど)での集中力・全体設計の明晰さが強み。近年はオーケストラとの協奏曲共演でもスケール感を拡張している。

ディスコグラフィ/配信で聴く

『第18回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ(2CD)』NIFC, NIFCCD651-652(2023)


2021年の第1次~第3次予選のライブを収録。ノクターンOp.48-1、バラード第1・3番、舟歌、マズルカOp.17、ソナタ第3番ほか、進藤の原点を知ることができる定盤。国内流通仕様(ONIFCCD651)もあり。主要ストリーミングでも聴取可。

『進藤実優 プレイズ ショパン:ピアノ協奏曲第1番』(ライヴ)/ サロンオーケストラジャパン, 指揮:阿部未来(2023)
室内編成版による協奏曲のライヴ録音。若き日の協奏曲アプローチが記録されている。

配信:Apple Musicなどで“Frédéric Chopin: 18th Chopin Piano Competition Warsaw”名義のトラックが配信中。

まずはこれを観る・聴く(公式映像)

ショパンコンクール2025:3次予選の演奏アーカイブ(ショパン研究所公式YouTube)。

2021年大会:予選各ラウンドの公式アーカイブ。現在の音楽観と聴き比べも興味深い。

今後の主な公演予定(公開情報ベース)

10月18–20日 本選(ワルシャワ・フィルハーモニー)

12月13日(土) 大府市 市制55周年「協奏曲コンサート」出演予定(地元・大府)

12月25日(木) 第31回リクルートスカラシップコンサート(東京オペラシティ/配信あり)

2026年4月19日(日) 第49回名古屋国際音楽祭 ガラ・コンサート(愛知県芸術劇場、指揮:川瀬賢太郎/名古屋フィル)

まとめ

ロシアで培った基礎と、ドイツで磨く解釈・構築性、そしてショパン作品で見せる色彩感――。進藤実優は、国際舞台の経験を踏まえ、2025年のファイナルでいよいよ大舞台の「証明」に臨む。最新の録音・配信とともに、その歩みをフォローしておきたい。



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