東海林茉奈(しょうじ・まな)とは
1997年・兵庫県生まれ。4歳からピアノを始め、国内外の舞台で研鑽を重ねてきた日本のピアニスト。2025年10月、ワルシャワで開かれた第19回ショパン国際ピアノコンクール(ショパン・コンクール)本大会に出場し、ステージIで演奏を披露した。近年はポーランドを拠点にショパン作品の研究と演奏を軸に活動している。
略歴・プロフィール
- 生年/出身:1997年、兵庫県生まれ。
- 学歴:兵庫県立西宮高校音楽科を経て、2015年に東京藝術大学(器楽科ピアノ専攻)へ首席入学。2022年、同大学大学院修士課程修了。修士論文のテーマは**「ショパンの演奏美学と作品—弟子の証言に基づく考察」**。
- 研鑽:2022年秋に渡欧。ポーランドのビドゴシュチ音楽院研究科でパヴェル・ヴァカレツィに師事し、ショパン国際コンクール(2010)でファイナリストとなったカタジーナ・ポポヴァ=ズィドロンの指導も受ける。
- 主な師事:石井なをみ、伊藤恵(ピアノ)/小倉貴久子(フォルテピアノ)/入江一雄・玉井菜摘(室内楽)。
受賞歴・主な実績
- ピティナ・ピアノコンペティション全国決勝 F級金賞・G級銅賞。
- 全日本学生音楽コンクール:中学の部大阪大会1位、高校の部全国大会2位。
- **ロザリオ・マルチアーノ国際ピアノコンクール(ウィーン)**第1位。
- ショパン国際ピアノコンクール in ASIA高校生部門 アジア大会金賞・ソリスト賞。
- ヨーロッパ国際ピアノコンクール in Japan特級グランプリ・ショパン協会賞。
- **第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール(2023)**本大会出場。
- オーケストラ共演:大阪交響楽団、ポーランド・トルン交響楽団、シレジア・フィルハーモニー管弦楽団ほか。
ショパン・コンクール2025
- 本大会出場:2025年4–5月の予備予選を経て本大会(10月)に進出。
- ステージI:公式チャンネルで演奏動画とフォトが公開されている(例:ワルツ 変イ長調 Op.34-1)。
- 結果:公開リストに基づけば、ステージII進出者には含まれていない(ステージIIは40名、うち日本勢は桑原志織/中川優芽花/進藤実優/牛田智大/山縣美季)。
※上記は大会公式・国内主要メディアの発表をもとに記載。
演奏スタイルとレパートリーの注目点
ショパン作品の語法を支えるアーティキュレーションの明晰さと、フレージングの起伏を丁寧に刻む**「歌」の感覚が核。大学院でのショパン美学研究に裏付けられた解釈で、ノクターン/ワルツ/バラードなど抒情系作品に強みを見せつつ、エチュードやソナタ**でも構築力を示す。ピリオド楽器コンクール出場経験から、歴史的アプローチを踏まえた表現にも関心が深い。
録音・配信情報
- 商業CD:共演盤への参加が確認できる(例:『Lumière II』(PARFAIT/PCFL-0002)でのピアノ共演)。現時点(2025年10月)でソロ名義の商業流通CDは未確認。
- 公式配信:YouTubeほかでショパンの主要作品(バラード第3番、英雄ポロネーズ、協奏曲ほか)を公開。2025年ショパン・コンクールステージIの公式映像も確認できる。
今後の演奏会(確認できる予定)
- 2026年1月27日(火)
兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院小ホール「東海林茉奈 ピアノ・リサイタル」
※主催カレンダーに掲載。詳細・最新情報は主催者サイトでご確認を。
(参考:2025年8月28日「すばるアフタヌーンコンサートVol.12 東海林茉奈ピアノ・リサイタル」(大阪・すばるホール)は既に終了。)
これからの歩み
ショパンの本場・ポーランドで培った解釈と、学術的な裏付けを持つ語り口は、今後の国内外での活動の広がりに直結する強みだ。ショパン・コンクールでの舞台経験を糧に、帰国後は関西を中心に実演とアウトリーチの両輪でファン層を広げていくだろう。ソロ録音のリリースにも期待がかかる。
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