NHK交響楽団はこのほど、同楽団が制定する、第72回尾高賞が権代の作品に決定したと発表した

NHK交響楽団は、2025年度(第72回)尾高賞を権代敦彦氏のヴァイオリンとオーケストラのための作品《時と永遠を結ぶ絃》に授与すると発表しました。 これは権代氏にとって2度目の尾高賞受賞となります。

尾高賞は、NHK交響楽団が1953年から毎年、優れたオーケストラ作品を作曲した日本人作曲家に贈っている賞です。 権代氏は2016年に《Vice Versa―逆も真なり―》で同賞を受賞しており、今回で2度目の受賞となります。  

権代氏は1965年東京都生まれの作曲家です。 桐朋学園大学音楽学部作曲科、同大学研究科を修了後、フライブルク音楽大学現代音楽研究所に留学、IRCAMでコンピュータ音楽を研究するなど、幅広い音楽活動を展開しています。 彼の作品の特徴として、カトリック教会のオルガニストとしての経験から生まれた宗教観に基づいた作品や、東日本大震災などの社会的な出来事をテーマにしたものなど、多岐にわたるテーマを扱っていることが挙げられます。  

今回の受賞作品《時と永遠を結ぶ絃》は、2024年11月に愛知室内オーケストラの委嘱により作曲され、辻彩奈氏のヴァイオリン独奏、山下一史氏の指揮により初演されました。[69] この作品は、権代氏の特徴である1拍子から7拍子への変化、そしてその逆という拍子のエネルギーの増減を巧みに利用し、人間の生と死、時間と永遠といった深遠なテーマを描いています。 選考委員からは、「音楽の高い集中力とドラマ性」が高く評価され、辻氏の独奏と愛知室内オーケストラの演奏の素晴らしさも受賞理由に挙げられています。  

権代氏は、今回の受賞について「長生きせねば!」と喜びのコメントを発表しています。 彼の作品は、今後も国内外のオーケストラで演奏され、多くの聴衆に感動を与えることでしょう。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です