
5万円台で手に入る、超本格派デジタルオーディオプレーヤー
スマートフォンで音楽を聴くのも便利ですが、クラシック音楽の繊細な響きや壮大なオーケストラの迫力を本当に味わいたいなら、やはり専用のデジタルオーディオプレーヤー(DAP)が欲しくなるもの。でも、高級DAPは10万円、20万円と高価で、なかなか手が出ない……そんな悩みを解決してくれるのが、今回ご紹介するFiiO M21です。
実売価格は約53,000円。この価格帯としては考えられないほどの高音質と充実した機能を備えており、クラシック音楽ファンから「これがあれば十分なのでは?」という声が続出しているモデルなのです。
手にした瞬間に伝わる、上質な作り

M21を初めて手に取ると、まずその質感の高さに驚きます。筐体はフルアルミニウム合金製で、背面にはAGフロストガラスを採用。5万円台のDAPとは思えない高級感があり、触り心地も上質です。
サイズは約121×68×17mm、重量は約193g。ワイシャツの胸ポケットにも収まる大きさで、通勤や旅行にも気軽に持ち出せます。4.7インチのディスプレイは見やすく、操作も快適。Android 13を搭載し、Snapdragon 680プロセッサのおかげでサクサク動作します。
カラーはダークブルーとチタニウムゴールドの2色展開。どちらも落ち着いた色合いで、年齢を問わず使いやすいデザインです。
音質の秘密――クアッドDAC搭載の贅沢な設計
M21の音質を支えているのが、Cirrus Logic CS43198というDACチップです。これを4基も搭載しているのが最大の特徴。通常、このクラスのDAPではデュアルDAC(2基)が一般的ですが、M21はその倍となるクアッド構成を採用しています。
この4基のDACを使って、左右チャンネルのプラス信号とマイナス信号をそれぞれ独立して処理する「フルバランス設計」を実現。これにより、左右の音の混ざり合い(クロストーク)が極限まで抑えられ、オーケストラの各楽器がくっきりと分離して聴こえます。
主要スペック一覧
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| DACチップ | Cirrus Logic CS43198 × 4基 |
| CPU | Qualcomm Snapdragon 680(8コア) |
| OS | Android 13 |
| ディスプレイ | 4.7インチ TFT(1334×750) |
| 内蔵ストレージ | 64GB |
| 外部ストレージ | microSDカード(最大2TB) |
| 出力端子 | 3.5mm(シングルエンド) 4.4mm(バランス) |
| 対応フォーマット | PCM 384kHz/32bit、DSD256 |
| Bluetooth | 5.0(LDAC、aptX HD対応) |
| バッテリー | 4000mAh |
| 重量 | 約193g |
| 価格 | 約53,000円(実売) |
クラシック音楽での試聴――この価格帯を超えた表現力

実際にクラシック音楽を聴いてみると、M21の実力がよくわかります。試聴には4.4mmバランス接続を使用しました。
ダイアナ・クラール「月とてもなく」で感じた繊細さ
まずジャズボーカルの名盤から。冒頭のピアノとベースの音色がとても自然で、色付けのない素直な音です。驚いたのは情報量の多さ。ベースの弦が震える様子、ピアノの左手の動き、そしてダイアナ・クラールの歌声の息づかい――さらには、ベーシストが演奏中に息を吸い込む微かな音まで聴き取れました。
これは5万円台のDAPで聴けるレベルを明らかに超えています。
ヒラリー・ハーン「バッハ ヴァイオリン協奏曲」の美しさ
クラシックの弦楽器では、ヴァイオリンの繊細な表現が試金石。M21で聴くヒラリー・ハーンのバッハは、弦が震えて美しい響きが生まれる瞬間が手に取るようにわかります。
特に素晴らしいのは低域の表現力。ヴァイオリンの胴体で増幅される響きが深く、楽器の実在感がリアルに感じられます。安いDAPにありがちな「軽い音」ではなく、ずっしりとした重みのある音です。
オーケストラ作品での音場の広がり
交響曲などの大編成作品では、M21の音場表現の広さが際立ちます。特に奥行き方向の広がりが素晴らしく、ピアノの響きが空間に広がっていく様子や、コンサートホールの残響感まで立体的に再現されます。
各楽器の配置もくっきりしていて、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと、弦楽セクションの位置関係がしっかり聴き分けられます。
M21の音質的特徴まとめ
- 解像度が高く、微細な音まで聴き取れる
- 低域の重心が低く、重厚で安定感のあるサウンド
- 音場が広く、特に奥行き表現に優れる
- 各楽器の分離が良く、複雑なオーケストラ作品も聴きやすい
- SN比が良く、静寂から音が立ち上がるコントラストが美しい
- 色付けが少なく、楽器本来の音色を忠実に再現
自宅でも活躍――デスクトップモード
M21には「デスクトップモード」という面白い機能があります。これは、パソコンとUSB接続してUSB DACとして使う際、内蔵バッテリーを充電・放電させずに外部電源のみで動作させるモードです。
デスクトップモードのメリット
- バッテリー劣化の防止
長時間パソコンと接続していても、バッテリーの充放電を繰り返さないため、バッテリー寿命が延びます。 - スーパーハイゲインモード
通常のポータブル使用時よりも高い電圧で動作でき、最大950mW(32Ω時)の出力が可能。インピーダンスの高いヘッドホンも余裕で鳴らせます。
使い方は簡単
- 側面のスイッチを「デスクトップモード」にON
- 底面の「USB 3.0」端子とパソコンを接続
- 「POWER IN」端子に電源アダプターを接続
これで、パソコンの音楽をM21経由で高音質再生できます。SpotifyやApple Music、YouTubeの音楽動画なども、驚くほど良い音で楽しめますよ。
クラシック音楽におすすめのイヤホン・ヘッドホン
M21の実力を引き出すには、相性の良いイヤホンやヘッドホンを選びたいもの。バランス接続(4.4mm)に対応したモデルがおすすめです。
ヘッドホン部門

クラシック音楽ファンの定番モデル。自然な音色と豊かな響きが魅力で、M21のバランス出力と組み合わせると、解像度と音場の広がりがさらに向上します。長年愛され続ける理由が実感できる組み合わせです。

HD650の最新モデル。最初から4.4mmバランスケーブルが付属しているので、届いたその日から高音質を楽しめます。インピーダンスは300Ωと高めですが、M21のデスクトップモードなら余裕で駆動できます。オーケストラの複雑な音も整理して聴かせてくれる実力派です。
イヤホン部門
Moondrop Aria 2(約2万円)
コストパフォーマンスに優れた中華イヤホンの人気モデル。全帯域で歪みが少なく、クラシック音楽の繊細なニュアンスを損なわずに再生します。M21と合わせても総額7万円台という手頃さも魅力。初めての本格ポータブルオーディオとして最適な組み合わせです。
qdc WHITE TIGER(ハイエンド)
6基のBAドライバーと2基の静電ドライバーを搭載した、日本限定モデルのハイエンドイヤホン。明瞭さと聴きやすさが両立したサウンドは、複雑なオーケストラ作品の再生で真価を発揮します。M21のポテンシャルを最大限引き出したい方におすすめです。
遊び心満載のカセットテープモード
別売の専用ケース「SK-M21C」(約4,950円)を装着すると、M21がカセットプレーヤー風のデザインに変身します。しかも見た目だけでなく、ケースを装着すると自動的にディスプレイのUIがカセットテープ風に切り替わり、ケース側の物理ボタンで操作できるようになるという凝りよう。

「レトロサウンドEQ」を使えば、懐かしいカセットテープの音質も再現可能。クラシック音楽をあえてカセット風の音で聴くのも、また違った味わいがあって面白いかもしれません。
ストリーミングサービスにも対応
Android 13を搭載しているため、以下のような音楽ストリーミングサービスもアプリをインストールして利用できます。
- Spotify
- Apple Music
- Amazon Music
- Qobuz
- TIDAL
- Deezer
さらに、Roon Ready、AirPlay、DLNAにも対応しているので、ネットワークオーディオとしての使い方も可能です。
購入はこちらから
FiiO M21本体
FiiO M21(Titanium Gold)
価格:$329.99

FiiO M21(Dark Blue)
価格:$329.99
まとめ――この価格帯では考えられない完成度
FiiO M21を使っていると、「この価格でこの音が出るのか」と何度も驚かされます。クアッドDAC搭載による高解像度、重厚な低域表現、広大な音場――どれをとっても、5万円台のDAPとは思えないレベルです。
特にクラシック音楽との相性は抜群。オーケストラの各楽器が立体的に配置される様子、弦楽器の繊細な倍音、ピアノの響きの余韻まで、しっかりと再現してくれます。
デスクトップモードを使えば、自宅で腰を据えてじっくりクラシック音楽を楽しむこともできますし、コンパクトなボディを活かして通勤や旅行に持ち出すことも可能。まさに「使い倒せる」DAPです。
「高級DAPには手が届かないけど、スマホの音質には満足できない」という方、「お気に入りの有線イヤホンやヘッドホンを本気で鳴らしてみたい」という方に、心からおすすめできる一台です。
※価格や仕様は2026年1月時点の情報です。最新情報は各販売店でご確認ください。

コメントを残す