横浜みなとみらいホールは、新たなプロデューサーとしてヴァイオリニストの石田泰尚氏が就任することを発表しました。前任のピアニスト反田恭平氏からバトンを受け継ぎ、4月から2年間の任期を務めます。1月8日には、両氏による引継ぎ式がホールで行われ、新体制への期待が高まりました。
1月8日、横浜みなとみらいホールにて、石田氏と反田氏による「新旧引き継ぎ式」が執り行われました。2021年のショパン国際ピアノコンクール2位入賞という輝かしい実績を持つ反田氏は、プロデューサーとして、ジャンルや世代、障害の有無にとらわれない多様な音楽体験を提供してきました。また、反田氏自身がパイプオルガン演奏に挑戦する「オルガン道場」も話題を呼びました。引継ぎ式では、反田氏は「得るもの、学ぶことがとても多かった」と就任期間を振り返りました。
一方、新たにプロデューサーに就任した石田氏は、「とにかくちゃんとやります、頑張ります」と力強く決意表明。今後の活躍に期待が高まります。
ヴァイオリニスト石田泰尚氏とは?
石田氏は、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の首席ソロ・コンサートマスターを務めるほか、弦楽アンサンブル「石田組」を率いるなど、クラシック音楽の枠にとらわれない幅広い活動を展開しています。その風貌からもわかるように、ロックにも精通しており、ジャンルを超えた音楽性を追求しています。石田氏のプロデューサー就任は、音楽界のみならず、地域にも大きな期待を集めています。
横浜みなとみらいホールの「プロデューサー in レジデンス」とは?
横浜みなとみらいホールが2021年度から取り組む「プロデューサー in レジデンス」は、演奏家が企画制作から実施まで関わることで、アーティスト自身のプロデュース力向上と、ホールが制作するコンテンツの創造性を高めることを目指す事業です。初代プロデューサーはカウンターテナーの藤木大地氏、第2代プロデューサーは反田恭平氏が務め、石田氏は第3代プロデューサーとして、2025年から2年間の任期を担います。
石田氏が目指す、次世代育成と地域貢献
石田氏はプロデューサー就任にあたり、次世代の育成に特に力を入れていきたいと語っています。具体的には、中学校や高校の弦楽合奏部やオーケストラ部を対象にしたクリニックを実施し、音楽の楽しさを伝えたいとしています。また、自身の率いる「石田組」のメンバーをフィーチャーした企画も計画しているとのことです。
さらに、横浜みなとみらいホールを地域に根ざした文化拠点とすることを目指しています。今回のプロデューサー交代により、同ホールが地域に密着した音楽文化の発信地として、より一層進化していくことが期待されます。
石田さんは、今回の就任に際して、次のようにコメントを発表している。
■ プロデューサー就任によせて
横浜みなとみらいホールの開館が1998年、僕が神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターに就任したのが2001年ですので、ほぼホールの歴史と共に歩んできました。神奈川フィルのコンサート以外にも石田組の旗揚げ(2014年)、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会(2018年)、ピアノ・トリオ全曲演奏会(2020年)、コロナ禍のバーチャルコンサート(「横浜WEBステージ」/2020年)などチャレンジングな場を与えてくれたホール関係者の方々には感謝しかありません。昨年50歳となり演奏家のキャリア的には折り返し地点を過ぎました。今度はお世話になった方々に恩返しをする番だと思い今回の大役をお受けしました。
まず取り組みたいのは若い人たちの育成です。それもプロの演奏家を目指すような人たちではなく一般の中学・高校の弦楽合奏部、オーケストラ部を対象にしたクリニックを実施し、音楽の楽しさを知ってもらいたいと思います。
もう1つは石田組の組員をフィーチャーした企画です。石田組は今年結成10周年を迎え、毎回本当に素晴らしいプレイヤーが集まってくれています。組員たちをもっと知ってもらうためのリサイタルシリーズなどが出来ればと思います。
そしてこれは実現できるかどうかわかりませんが指揮者、メンバー、プログラムなど全て自分で選んだオーケストラコンサートを開催出来ればと思います。もちろんコンサートマスターは僕です。
横浜みなとみらいホールは音響だけでなくロケーションも最高でアフターコンサートも楽しめる場所がたくさんあります。全国の皆さん、横浜でお待ちしています!
石田泰尚(「ぶらあぼ」より引用:https://ebravo.jp/archives/170063)
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