
2025年2月19日、ミューザ川崎シンフォニーホールにカナダ出身のピアニスト、ケヴィン・チェンが登場した。この夜、彼が奏でたショパンとリストは、聴衆の心にしっかりと刻まれたようだ。公演後、Xにはその感動を綴る声が溢れ、クラシック音楽の新たな才能が日本で花開いた瞬間を物語っている。
若き才能の軌跡
ケヴィン・チェンは、5歳でピアノを始め、8歳でカナダ音楽コンクールを制した早熟の天才だ。以来、カーネギーホールやロンドンのセントジョンズ・スミス・スクエアなど名だたる舞台を踏み、リスト国際ピアノコンクールでは最年少優勝の記録を持つ。今、世界が注目する若手ピアニストの一人として、彼の音色には特別な輝きがある。
ミューザ川崎での一夜
このリサイタルで披露されたのは、下記のプログラム。どれもピアニストにとって試金石ともいえる作品だが、ケヴィン・チェンはその難曲を鮮やかに、かつ深く掘り下げて聴かせた。ショパンの旋律には静謐な美しさが宿り、リストでは圧倒的な迫力が会場を包んだという。
【プログラム】
・フレデリック・ショパン (1810-1849)
バラード 第4番 ヘ短調 op.52(Ballade No.4 f-moll op.52)
・フレデリック・ショパン
ポロネーズ 第7番 変イ長調 op.61「幻想ポロネーズ」(Polonaise No.7
”Fantaisie” As-Dur op.61)
・フレデリック・ショパン
モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲
変ロ長調 op.2(Variations sur “Là ci darem la mano” du “Don Juan” B-Dur
op.2)
・フランツ・リスト (1811-1886)
バラード 第2番 ロ短調 S.171(Ballade No.2 h-moll S.171)
・フランツ・シューベルト / フランツ・リスト
魔王 S.558, No. 4(Erlkönig S.558 No.4)
・フランツ・リスト
巡礼の年 第2年「イタリア」より ペトラルカのソネット 第104番(”Sonetto
104 del Petrarca” S.161-5)
・フランツ・リスト
ドン・ジョヴァンニの回想 S.418(Réminiscences de “Don Juan” S.418)
Xに響き合う称賛
公演後、Xには聴衆の声が次々と投稿された。「ショパンの解釈が幽玄で、胸に染みた」「リストの超絶技巧がこんなに生き生きと響くなんて」と、感動の言葉が並ぶ。ある投稿では「彼の演奏は技術を超えて魂に触れる」と評され、音楽に詳しいリスナーからも「この若さでこの完成度。驚くべき才能だ」との声が上がった。こうした反応は、彼が単なる技巧派ではないことを示している。
ケヴィン・チェンの演奏は、クラシック音楽の奥深さを改めて感じさせるものだったようだ。
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