【公演情報】日本最高峰のピアニスト仲道郁代が贈る「ラヴェルの狂気」 ~ The Road to 2027

ラヴェル生誕150年記念イヤーを彩る注目のリサイタル

日本クラシック界の至宝、ピアニスト仲道郁代による「The Road to 2027 仲道郁代 ピアノ・リサイタル ラヴェルの狂気」が2025年10月に開催される。東京文化会館小ホールでの公演(10月26日)を皮切りに、アクトシティ浜松中ホール(10月19日)でも開催予定のこのリサイタルは、ラヴェル生誕150年のメモリアルイヤーにふさわしい、深く濃密な音楽体験を約束する。

注目のプログラム:ラヴェル作品の神髄に迫る

今回のリサイタルでは、モーリス・ラヴェルのピアノ作品の中でも特に技巧的かつ芸術性の高い3つの傑作が演奏される:

「鏡」(1905年作曲)

  1. 悲しい鳥たち
  2. 海原の小舟
  3. 道化師の朝の歌
  4. 鐘の谷

「水の戯れ」ホ長調(1901年作曲)

パリ音楽院在学中に作曲された初期の代表作。師であるガブリエル・フォーレに献呈された、水の動きと光彩を音楽で表現した印象主義的名作。

「夜のガスパール」(1908年作曲)

  1. オンディーヌ
  2. 絞首台
  3. スカルボ

アロイジュス・ベルトランの幻想的な散文詩集を基にした、ピアノ文献史上屈指の超絶技巧作品群。

仲道郁代からのメッセージ「ラヴェルの狂気」

仲道郁代は今回のプログラムについて、詩的で深遠な思いを綴っている:

水の精オンディーヌは
陰うつな月の光が照らす窓を 水のしずくでそっとかすめる
星をちりばめた美しい夜を 静かに眠る湖をみつめる

言葉が映し出す音たち
ラヴェルのピアノの音が
面妖な異次元の世界へと 煌めき誘う

そこに見るものは? 聴くものは?
言葉と音が極まり 境界はぼやけて重なり
私をも消してしまう

The Road to 2027 プロジェクトとは

「The Road to 2027 リサイタル・シリーズ」は、仲道郁代がベートーヴェン没後200年と自身の演奏活動40周年が重なる2027年に向けて企画した、10年間に及ぶ壮大なプロジェクトである。2018年から始まったこのシリーズは、年4回のペースで開催され、各回が異なるテーマで構成されている。

アーティスト・プロフィール:仲道郁代の輝かしい経歴

仲道郁代は、日本を代表するピアニストとして国内外で高い評価を受けている。主な受賞歴は以下の通り:

  • 日本音楽コンクール第1位・増沢賞受賞
  • ジュネーヴ国際音楽コンクール最高位
  • メンデルスゾーン・コンクール第1位・メンデルスゾーン賞
  • エリザベート王妃国際音楽コンクール第5位
  • 2021年度文化庁長官表彰・文化庁芸術祭「大賞」受賞

海外オーケストラとの共演も多数あり、ピッツバーグ交響楽団、バイエルン放送交響楽団、フィルハーモニア管弦楽団、ドイツ・カンマーフィルハーモニー、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団など、世界一流の楽団と協演を重ねている。

公演詳細・チケット情報

東京公演

浜松公演

  • 日時: 2025年10月19日(日)開演14:00(開場13:30)
  • 会場: アクトシティ浜松 中ホール
  • 料金: 一般4,000円、学生1,000円(24歳以下)

チケット発売日

  • 先行発売:2025年5月24日(土)10:00~
  • 一般発売:2025年6月2日(月)10:00~

チケット取扱い

見どころ・聴きどころ

ラヴェルの楽曲は、印象主義的な色彩感と精密な構造美、そして極めて高度な演奏技術を要求することで知られている。特に「夜のガスパール」は、リストの「超絶技巧練習曲」を上回る技術的困難さを持つと言われ、ピアニストにとって究極の挑戦とされる作品群である。

仲道郁代の演奏は、技術的完成度の高さはもちろん、作品の詩的本質を深く理解した表現力で定評がある。今回のプログラムでは、ラヴェルが描いた幻想的で神秘的な音響世界を、彼女独自の音楽観で再現することが期待される。

おわりに

ラヴェル生誕150年という記念すべき年に、日本最高峰のピアニスト仲道郁代が贈る「ラヴェルの狂気」。技巧と詩情が極限まで追求されたこのリサイタルは、聴衆を音楽の深淵へと誘う、まさに「狂気」にも似た音楽体験となるに違いない。クラシック音楽愛好家にとって見逃せない、2025年秋の最重要コンサートの一つと言えるだろう。


記事内の情報は2025年5月時点のものです。最新情報は各公演会場・主催者の公式サイトでご確認ください。


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