札幌大谷大学、2027年4月に「札幌芸術大学」へ改称 デザイン学科新設で“芸術一本化”を鮮明に

札幌市東区の札幌大谷大学は、2027年4月に大学名を「札幌芸術大学(仮称)」へ変更する。 同時に、現在の「芸術学部」「社会学部」の2学部体制を見直し、芸術学部のみの1学部3学科(音楽・美術・デザイン〈仮称〉)へ再編する。大学側は「道内唯一の『芸術学部』を持つ高等教育機関として専門性をさらに磨き、先端分野にも開かれた芸術大学をめざす」としている。
※一部で「来年(2026年)4月に改称」との情報もあるが、大学・報道発表はいずれも2027年4月を予定としている。


何が変わるのか:名称と組織の再編

大学名の変更:札幌大谷大学 → 札幌芸術大学(仮称)

組織改編:2学部3学科(芸術学部〈音楽/美術〉+社会学部〈地域社会〉)→ 芸術学部の1学部3学科(音楽/美術/デザイン〈仮称〉)

新設のデザイン学科(仮称)は2領域で構成予定

メディアデザイン領域:写真・映像・メディアアート/グラフィック・イラスト/情報・プロダクトデザイン/ファッション・デジタルファブリケーション

ソーシャルデザイン領域:企画共創デザイン/身体文化デザイン

大学は告知で「名称・構想内容は予定であり、変更の可能性がある」と明記。正式化には所管手続きが必要となる。


受験生・在学生への影響(現時点で判明していること)

入学定員(予定):音楽学科は現行の60人を維持、美術学科は40人(現行から20人減)、新設のデザイン学科は70人を見込むと報じられている。

在学生の取り扱い:移行期の学位表記や履修・カリキュラムの詳細は今後の案内を待つ必要がある(現時点の公表情報では未詳)。

短期大学部の動き:報道では、短期大学部保育科を「札幌大谷短期大学こども学科」へ名称変更する見通しが伝えられている。大学本体の改称とあわせたグループ内整理が進む可能性がある。


なぜ「芸術大学」なのか:狙いと文脈

大学は今回のリブランディングで、“芸術一本化”の旗印を鮮明にする。道内で「芸術学部」を置く高等教育機関は同校のみで、既存の音楽・美術の高度専門教育に加え、サウンドアートやメディアアート、ミュージカル、アニメ・映画などサブカルチャー領域にも門戸を開く方針を示した。
新設のデザイン学科では、社会課題の洞察や地域との協働、データ活用など“社会実装”志向を打ち出し、従来の造形・視覚表現と、企画・共創・リサーチを横断するカリキュラム像が示されている。


大学の歩みと現状

ルーツは1906年創立。2006年に大学を設置(音楽学部)、2012年に芸術学部へ改称し美術学科を増設。同年、社会学部地域社会学科を開設した。

学生数は約770人(2025年5月時点)との報。芸術学部を前面に据えた改称は、大学の実態と将来構想を名前にも反映させる狙いがある。


今後のスケジュール感

2025年9月時点の発表段階では、名称は「仮称」であり、2027年4月の改称と再編を目標に準備が進む。

新学科設置や定員変更などは、所管当局の手続きを経て確定する。受験生・在学生・保護者は、大学の最新リリースと募集要項のアップデートを随時確認したい。


まとめ:ブランドと実体の一致へ

札幌大谷大学が「札幌芸術大学」を名乗ることで、芸術の専門性に軸足を置き直し、先端と社会に開いた芸術教育の拠点を目指す姿勢が明確になった。既存の強み(音楽・美術)にデザイン(仮称)を加える再編は、道内の芸術教育の受け皿としての役割拡大と、地域・産業への波及を見据えた実学的な“芸術×社会”の再設計でもある。正式決定までのプロセスと詳細設計に注目したい。



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