2024年12月24日、東京音楽大学(所在地:東京都豊島区、学長:野平一郎)が、中目黒・代官山キャンパスのTCMホールにて、第2回「野島賞」授与式を執り行った。
「野島賞」概要:故・野島稔氏の功績を称え、若手音楽家を支援
「野島賞」は、東京音楽大学の学長を務めた故・野島稔氏の功績を称え、国内外で顕著な活動を行っている若手音楽家を顕彰する目的で、2023年に創設されました。同大学の卒業生および在学生で、35歳以下の音楽家を対象とし、学術研究または演奏活動において優れた業績を挙げ、大学の名誉を高めた人物に贈られます。
野島稔氏は、卓越したピアニストとしての活動に加え、東京音楽大学で多くの才能ある音楽家を育成した教育者としても知られています。
【Minoru Nojima Plays Liszt】
第2回受賞者:ピアニスト辻井伸行氏
第2回「野島賞」を受賞したのは、ピアニストの辻井伸行氏です。
- 氏名: 辻井伸行(つじい のぶゆき)
- 生年月日: 1988年9月13日
- 略歴:
- 東京音楽大学付属高等学校卒業(2007年3月)
- 2009年、第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝
- 国内外の著名なオーケストラとの共演、カーネギーホールでのリサイタル等、国際的に活躍
- 主な受賞歴:
- 2009年、文化庁長官表彰(国際芸術部門)
- 2010年、第11回ホテルオークラ音楽賞、第1回岩谷時子賞
- 2013年、第39回日本ショパン協会賞
また、第1回「野島賞」の受賞者はピアニストの藤田真央である。
授与式の詳細:若き才能の競演と、感動のサプライズ
授与式は、2024年12月24日(火)の午後1時より、東京音楽大学の中目黒・代官山キャンパス内にあるTCMホールにて開催されました。式典には、東京音楽大学の関係者をはじめ、冬期受験講習会の参加者、また、事前申し込みを済ませた報道関係者も列席しました。
式典は、まず開式のことばで幕を開け、その後、「野島賞」の創設趣旨や、野島稔氏の功績についての説明がなされました。続いて、受賞者である辻井伸行氏の紹介が行われ、賞状が授与されました。辻井氏は、感謝の言葉を述べるとともに、これまでの音楽活動を振り返り、今後の抱負を語りました。
式典の後半には、東京音楽大学付属高校の在校生による祝賀演奏が披露されました。ヴァイオリン、チェロ、ピアノの三重奏で、小野未結さん作曲の「Unending Dreams」が演奏され、若き才能が織りなすハーモニーに、会場全体が魅了されました。演奏後には、作曲者である小野さんから曲の解説があり、曲に込められた想いが語られました。
さらに、式典の最後には、予定にはなかったサプライズとして、辻井伸行氏自身によるピアノ演奏が披露されました。ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」より第3曲「月の光」が演奏され、その美しい旋律は、会場全体を感動で包み込みました。辻井氏の繊細なタッチと、豊かな表現力によって奏でられた音楽は、聴衆を魅了し、会場は大きな拍手に包まれました。
当日の演奏プログラム
- 祝賀演奏:
- 作曲:小野未結(東京音楽大学付属高等学校 3年)
- 演奏:
- ヴァイオリン:神成 美玖里 (東京音楽大学付属高等学校 3年)
- チェロ:藤原 寛太 (東京音楽大学付属高等学校 3年)
- ピアノ:柴田 依月 (東京音楽大学付属高等学校 3年)
- 曲名:Unending Dreams
-
- 久遠
-
- 幻想からの目覚め
-
- 和
-
- サプライズ演奏:
- 演奏:辻井伸行(ピアノ)
- 曲目:C.ドビュッシー ベルガマスク組曲より第3曲「月の光」
今回の「野島賞」授与式は、ピアニスト辻井伸行氏の卓越した功績を称えるとともに、次世代の音楽家への激励となる素晴らしい式典となったに違いありません。
コメントを残す