「100歳のピアニスト」というニュースが世界を駆け巡りました。その主役は、アメリカのピアニスト、ルース・スレンチェンスカ。
2025年1月15日に100歳の誕生日を迎えた彼女は、驚くべきことに、あのセルゲイ・ラフマニノフの最後の愛弟子なのです!
幼き天才少女から伝説のピアニストへ
1925年、ポーランド移民の両親のもと、カリフォルニアで生まれたルースは、わずか4歳でコンサートデビューを果たしました。その翌年には、テレビでベートーヴェンの楽曲を演奏するという早熟ぶり。6歳でベルリンでのヨーロッパデビューを飾り、それから90年以上経った今でも、その演奏は世界中の聴衆を魅了し続けています。
幼少期のルース
ラフマニノフとの運命的な出会い
ルースが特に注目されるのは、作曲家・ピアニストの巨匠、セルゲイ・ラフマニノフの最後の愛弟子であるという点です。二人は師弟関係以上の深い絆で結ばれており、ラフマニノフが体調不良で演奏できない時には、ルースが代役を務めたこともあったそうです。
また、二人はよくお茶を共にし、ラフマニノフが贈ったというファベルジェの卵型ネックレスを、ルースは今でも大切に身につけています。
音楽の歴史を彩る多彩な活躍
ルースはラフマニノフだけでなく、アメリカの作曲家サミュエル・バーバーとも交流があり、彼が有名な「弦楽のためのアダージョ」を作曲する前に、その原型を耳にしたそうです。
さらに、アメリカの4人の大統領の前で演奏した経験もあり、ハリー・S・トルーマン大統領とはモーツァルトのデュエットを、ジョン・F・ケネディ大統領の就任式でも演奏を披露しています。
90代でのアルバムリリース!
驚くべきことに、ルースは90代になってからも音楽活動を続けています。2022年には、1960年代以来となるデッカ・クラシックスからのアルバム『My Life in Music』をリリースしました。
このアルバムには、彼女の音楽人生を彩ってきたショパン、ドビュッシー、グリーグ、バッハなど、数々の作曲家の作品が収録されています。幼少期から、父の厳しい指導のもとで毎朝24のエチュードを練習したというルース。その経験が、彼女をショパン演奏の名手として世界に知らしめることになりました。
音楽は人をつなぐもの
アルバムについて「私の年齢で、またアルバムを出すなんて、誰が想像したでしょう?」と語るルースは、音楽の力をこう信じています。「音楽は人をつなぐもの。もし、私の音楽が今でも人々を感動させるなら、それは本当に嬉しいことです。」
100歳を迎えてもなお、現役で活躍するルース・スレンチェンスカ。彼女の演奏は、音楽の持つ普遍的な力と、年齢を超えた人間の可能性を私たちに教えてくれます。これからも、彼女の音楽活動から目が離せません!
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